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【令和3年7月熱海市土砂災害】通帳紛失と銀行の対応は?支払いは?公共料金は?住宅ローンは?(2021年7月7日)

【令和3年7月熱海市 伊豆山土石流災害】通帳紛失と銀行の対応は?支払いは?公共料金は?住宅ローンは?(2021年7月7日0:00 時点)

「令和3年7月1日からの大雨」により、全国各地で水害・土砂災害が発生しています。7月3日には静岡県熱海市の「伊豆山・逢初川」地域で大規模な土石流が発生しました。犠牲になられた方へお悔やみを申し上げるとともに、未だ安否の分からない方々の救出と無事をただただ祈ります。熱海市の土石流では130棟以上の建物が被害を受けたという報道がありました。被災された多くの方々が避難所として市内のホテルを利用している状況です。

今後の生活を再建していくためには、ひとつひとつ歩き出さなければなりません。そのために少しでも役立つ情報をまとめました。ここでは、「災害救助法」が適用された静岡県熱海市の被災を念頭に置いています。ただし、この記事では、行政機関による公的支援(特に重要なものとして、罹災証明書、被災者生活再建支援金、災害弔慰金等)については、敢えて掲げていません。現時点では行政機関の負担があまりに大きいと判断し、詳報は次の機会にしたいと思っています。ただ、公的な支援が、「希望」となる行政による「お金とくらし」への支援が存在するのだということは、ぜひ頭の片隅に置いていただければと思います。

 

【身の安全を守ってください】

悪天候が各地で続いています。まずは身の安全の確保が第一です。決して危険な場所へ近づかないようにしてください。

 

【貴重品の紛失や破損について】

通帳、カード、印鑑(実印)、保険証券、健康保険証、不動産の権利証(登記済証)、その他貴重品類は、紛失しても直ちに権利を失うとか、不利益を被るなどということはありません。過度に心配しなくても大丈夫です。次のようなお知らせが既に出ていますので、ぜひ参照してください。

○保険関係

保険契約が分からない場合の照会制度があります。保険料支払いに関する措置もあります。詳しくは保険会社か、保険会社が不明なときは保険協会に問い合わせ窓口が整備されていますので、ウェブサイトを確認してください。

○通帳・印鑑・証書等がない場合

預金の払い戻し(引き出し)ができるように配慮がなされます。すでに政府から「金融上の措置」と題する書面が各金融機関に発信されており、そのような対応をすることが要請されています。

○保険証

被保険者証を提示しなくても、医療保険による受診が可能です。被保険者証を提示しなくても、介護サービスを受けることができます。紛失したり持ち出せなかった場合でも心配しないでください。

  • 「令和3年7月1日からの大雨による災害の被災者に係る被保険者証等の提示等について」(令和3年7月3日 保険局医療課事務連絡)が既に関係各所へ発出されています。

 

【公共料金の支払いについて】

○スマートフォン・携帯電話

被災された方向けのさまざまなサービスや無料化措置を行っています。契約者から申し出が必要なものがありますので、契約している会社のウェブサイトをチェックしてください。大手三社については以下の通りです。

○その他の公共料金(電気、ガス、上下水道など)

これらも、契約先の情報を必ずウェブサイトで確認してください。支払やサービスに関する支援策のお知らせが見つかる可能性が高いです。

 

【自然災害債務整理ガイドライン・被災ローン減免制度】

自然災害により住宅ローンや事業ローンなど、既存の債務を弁済できなくなった「個人」の債務者であって、破産手続等の法的倒産手続の要件に該当することになった債務者について、法的倒産手続によらずに、一定の財産を手元に残したまま(特に義援金や公的給付支援の多くは手元に残せます)、債務整理ができる仕組みです。詳しくは弁護士の相談窓口に問い合わせてください。支払いについて不安がある方は、まずは相談をされることを、強くお勧めします。

 

【静岡県弁護士会の窓口】

熱海市伊豆山の土砂災害や浸水被害等について無料電話相談を受け付けています。まずは相談してみてください。

 

【参考文献】

岡本正著『被災したあなたを助けるお金とくらしの話』(弘文堂)ほか