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【コラム】福島沿岸部の復興拠点や帰還困難区域等を巡る(備忘メモ)

2018年7月18日、内閣府原子力災害対策本部・原子力被災者生活支援チームの課長、補佐ら4名(なお原子力被災者支援は主に経済産業省の方々が内閣府にて担っている)と私の合計5名で、東日本大震災・福島第一原子力発電所の被害を受けた沿岸部地域と、その復興拠点を訪れたので、備忘録を残す。当該エリアへは2017年夏以来の1年ぶりであり、復興に向けた拠点工事が進捗している様子を見ることができた。

 

南相馬市:福島ロボットテストフィールド

 

福島沿岸部の新たな産業創出を目指す「福島イノベーションコースト構想」により整備される。中心となるのは福島県と、所在地である南相馬市。国は経済産業省や内閣府原子力被災者支援チームなどが全面的にサポートする。津波の被害を受けた南相馬市沿岸部の広大な指揮を利用し、ドローン・建設・災害救護などをはじめとする各種ロボット技術の実証フィールドが作られる。2018年7月下旬に、ドローンなどの「通信塔」が開所することで、福島ロボットフィールドが始動する。順次「飛行場」「試験用橋梁」「試験用トンネル」「試験用プラント」「市街地フィールド」「瓦礫・土砂崩落フィールド」「屋内水槽試験棟」「水没市街地フィールド」などが整備されていく。中心部には研究施設・セミナー会議施設など、世界中の研究者が意見交換できる場が作られる。ご案内をいただきました、南相馬市の方々に御礼を申し上げます。

双葉町:中野地区産業団地整備工事現場など

 

原子力発電のある町のひとつ双葉町。大部分が帰還困難区域等のままであり、原子力発電所に近いエリアは中間貯蔵施設予定地となっている。いっぽう、双葉町北部沿岸エリアが避難指示解除準備区域となり、常磐線の双葉駅周辺が特定復興再生拠点区域となる。「中野地区産業団地」は、大規模な工場を誘致する計画であり、すでに多数の引き合いがあるようだ。現地の除染や中間貯蔵施設の関連企業だけではなく、全国の企業から工場建設予定地として中野地区産業団地が選ばれている。双葉町は、平成33年までに双葉駅前に商住宅地を再整備することを目指している。双葉厚生病院、ヘルスケアふたば、特別養護老人ホームなど、原子力発電所事故からの避難の過程で多くの犠牲者を生んでしまった現場周辺をめぐる。ご案内をいただきました、双葉町の方に御礼を申し上げます。

大熊町:大河原地区復興拠点整備工事現場など

 

原子力発電所のある町のひとつ。沿岸部はすべて発電所の敷地と中間貯蔵施設予定地となる。山間部も大部分が居住できないエリアとなる。いっぽう常磐線大野駅を中心として「特定復興再生拠点区域」となり、除染と整備が進められる。常磐自動車道の開通も後押しする。常磐自動車道を囲む「大河原地区」が大熊町復興拠点となり、役場や住宅、商業施設が整備される予定だ。大規模な造成工事が進行中である。ご案内をいただきました、大熊町の方々に御礼を申し上げます。

 

(主な行程・立ち寄り所)

福島駅→飯館村→南相馬市→双葉町→大熊町→富岡町→郡山駅(約8時間ほどの工程)