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【コラム】陸前高田市・気仙沼市 写真備忘メモ(令和元年7月18日から19日)

 

岩手大学が陸前高田で地域防災国際フォーラム

 

2019年7月18日から19日にかけ陸前高田を訪問。ごく簡単に備忘のための写真報告メモを残しておく。

 

7月18日の午後、岩手大学地域防災研究センターが主催する「第22回地域防災(国際)フォーラム」が「陸前高田グローバルキャンパス」(旧米崎中学校)開かれ、同大学の客員教授として登壇

 

講演テーマは『災害復興法学のすすめ――』。陸前高田市職員、岩手大学の教授陣らが登壇。聴講者は、神戸大学の留学生、神戸大学の北後教授、東北大学のマリ・リズ准教授らをはじめ、陸前高田の皆様が参加。

 

なおグローバルキャンパスになっている旧米崎中学校は、2011年6月に初めて訪問。岩手弁護士会の弁護士らと共に被災者無料法律相談を行った、私自身にとっても非常に印象の強い場所だった。

 

この道路はかさ上げ後の台地に開通した幹線道路。

 

東日本大震災からの復興計画

 

陸前高田市は、東日本大震災当時の人口24,246人。約8000世帯。

津波等により犠牲になった方々は1,557人。行方不明者は202人(2019年6月時点)。

約8000世帯のうち半数の4000世帯が津波被害を受け、そのうち約3800世帯(93.6%)が「全壊」被害となった。改めて文字にするだけでもあまりの数字に愕然とする。

 

中心市街地が壊滅した陸前高田市では、沿岸部に巨大堤防を構築し、海抜の低い広い平野部の一部を盛り土して大幅にかさ上げし、そのうえに新市街地を形成。いわゆるコンパクトシティ化する復興方針となった。断面図を見ると、堤防や盛り土の位置関係や、その広さなどがイメージできるので、画像を貼り付けておく。今なお区画整理事業等の各事業が進行中である。

 

陸前高田市復興計画のページ

 

>かさ上げの概要(陸前高田市震災復興計画の概要より)

 

広大な面積の土地をかさ上げするため、まちの西側の山を丸ごと削り、超大型ベルトコンベアで土砂を中心地域へ運搬する工事も行われた。ベルトコンベアについては、2015年の大船渡市・陸前高田市訪問の写真報告メモを参照いただきたい。

 

 

巨大防潮堤がほぼ完成に

 

2019年7月の時点で、陸前高田の中心市街地(高田地区)と太平洋(広田湾)を隔てる巨大堤防の大部分が完成している。高さは約12.5メートル。全長は2キロメートル。桁外れの巨大構造物だ。市内の低い場所からは海を見ることは到底かなわない。かさ上げした市街地に上って、ようやく防潮堤の向こう側の海が見えるようになる(参考までに2015年大船渡市沿岸部の工事現場の様子はこちら

 

 

震災遺構と伝承

気仙中学校(右の電柱の奥に高田松原の「奇跡の一本松」)

 

高台に移転したホテル「キャピタル1000」から海と巨大防潮堤をのぞむ(中央の建物が旧下宿定住促進住宅)

 

タピック45(道の駅・高田松原)

 

新市街地と図書館

 

2017年4月27日に新市街地の中心施設「アバッセたかた」がオープン。陸前高田の杉材を利用した市立図書館はビジュアルも空間の居心地の良さも抜群。公共図書館を中心としたまちづくり。素晴らしいコンセプトに拍手を送りたい。

 

なお図書館には災害復興や東日本大震災伝承コーナーがある。拙著「災害復興法学」(慶應義塾大学出版会)、「災害復興法学Ⅱ」(同)、「災害復興法学の体系:リーガル・ニーズと復興政策の軌跡」(勁草書房)の3冊の寄贈を進言。快くお受けいただきました。

 

 

気仙沼(JR大船渡線・鹿折唐桑駅前)

JR大船渡線の「鹿折唐桑(ししおりからくわ)駅」。現在は線路はなくBRT( bus rapid transit)の駅となっている。

当該地域は広範囲にわたり津波の浸水があり、地域は壊滅的な被害をうけた。駅前には「第18共徳丸」という大型漁船が打ち上げられていたことでも有名になった。すでに周囲は新しい住宅街と水産加工団地等が形成され、当時の状況を伺い知ることはできない。2013年の訪問時と、今回の2019年の写真を掲載しておく。

 

鹿折唐桑駅前(2013年3月17日)

 

鹿折唐桑駅前(2019年7月19日)