活動実績

【コラム】高校生への『災害復興法学のすすめ』

災害復興法学の読者には高校生の方々もいます。弁護士という職業に興味がある方、災害復興支援やボランティア活動に興味がある方、今までにも、災害復興法学の教科書を読んでくれた高校生から、ご連絡をいただいて事務所でお話しをさせていただいたこともあります。みなさんその後も将来のキャリアを思い描いて日々高校生活をおくり、また進学した大学でも活躍されているようです。

 

東日本大震災の被災地をめぐるフィールドワーク研修旅行を予定していた高校が、事前研修を兼ねた災害に関する話しをしてほしいということで、高校での授業が実現しました。神奈川学園高等学校のフィールドワーク研修旅行の東北チームの生徒たちへの特別授業です。

 

東日本大震災から7年以上が経過し、被災地はどのような復興の過程にあるのか、そして「復興したというのはどんな場合なのか」という問いを立てて事前勉強をしてから現地視察を行うとのことです。そこで、「災害からの被災者の生活の再建」というキーワードから、被災地の復興についてヒアリングすることが有益ではないかということになりました。

 

事前に担当の先生のアイディアで、私の「災害復興法学」(慶應義塾大学出版会 2014年)の二重ローン問題に関する章を読んでいただくことになりました。弁護士の目を通じて記録した、実際の「被災者の声」について学習をしたうえで、特別授業の日を迎えてくれました。

 

授業の様子が少しでも伝わることを願い、学校・生徒側の許可をいただいた写真を掲載させていただきます。授業の流れは、「災害後の被災者の悩みの声を想像する」「実際の被災者の声をグラフデータで視覚化する」「法律は決して裏切らない被災者の支えである」「具体的に平常時から備えておきたい『知識の備え』の防災教育についても考える」というものです。

 

当たり前の学校生活や家族との生活が、大災害を境にどうなってしまうのか、一所懸命に想像力の限界まで考えてもらました。もちろん、そこから「第一歩を踏みだす」ための「支援制度の知識の備え」も勉強してもらいました。

 

『声は届く、共に歩んでいこう。』

 

私が伝えたかったメッセージ、少しでも若い心に残ればと願っています。