『災害復興法学Ⅲ』が令和7年度三井住友海上福祉財団奨励賞を受賞しました
岡本正著『災害復興法学Ⅲ』(慶應義塾大学出版会 2023年)は『令和7年度 三井住友海上福祉財団 奨励賞』を受賞しました(令和7年10月24日付)。本書をご推薦・ご選出いただいた先生方、これまでご指導頂いた先生方、切磋琢磨してきた仲間たち、書籍を世にだしてくださった出版社の皆様、そして家族の支えがあってのことと心より感謝を申し上げます。
『災害復興法学Ⅲ』という固いタイトルですが、法律専門書とはやや趣が異なります。自然災害や新型コロナ禍において一人ひとりが抱えている困難(お金、住まい、支払い、情報、避難所環境、災害関連死、事業継続等のリーガル・ニーズ)を、膨大な相談事例から抽出し、そこから生まれた政策や法改正に至る「復興政策の軌跡」を記録した読み物です。ジャンルはむしろノンフィクションかもしれません。
2014年に出版した自身初の単著である『災害復興法学』のシリーズ3巻目となる本作は、自然災害と感染症禍の声を分析し、その共通点を示し、生活復興段階のオールハザードアプローチによる社会脆弱性克服を目指して執筆にあたりました。防災、法律、福祉、医学等の多様な分野を巻き込み、生活再建、経済復興、社会的健康(ソーシャルウェルビーイング)を達成する法制度の構築を提言しています。
中学生・高校生から専門家まで幅広い層の方に読者になっていただいております。法学や防災についての予備知識は必要ありません。既刊『災害復興法学』『災害復興法学Ⅱ』の続きの世界を書き綴っておりますが、本書でシリーズ最後になるかもしれないという意気込みで集大成版として執筆に当たってまいりました。このため既刊を未読の方であっても問題なく読み進めていただけるはずです。これを機会にどうぞお手に取っていただけたら幸いです。
今から14年前に『災害復興法学』が産声を上げる際には、当時の慶應義塾大学法科大学院の北居功先生と片山直也先生に多大なるご助力をいただきました。慶應義塾大学法科大学院と法学部の講座の開始なくして、本書の存在はあり得ません。そして、何よりも、14年前の私の背中をポンとひとつ押してくださったのは、今年1月に亡くなられた大学時代のゼミ恩師である平良木登規男先生でした。先生に改めて感謝の言葉を述べたいと思います。
まだまだ未熟にて至らぬ点は多いですが、今後とも皆様のご指導ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。


















